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2009年09月01日

酒井法子騒動と、人を裁くこと

覚せい剤取締法違反で起訴された、タレントの酒井法子。
マスコミが仕掛けた今回の大騒動の中で、酒井容疑者が“捨て子”だったことが報じられました。

報道によると、酒井は福岡県内で生まれたが、その父は暴力団組員。最初の妻との間に酒井をもうけた後、離婚。
実母は若い男と駆け落ちし、乳飲み子だった酒井は父親の実家である佐賀県内の寺に捨てられる。
その後、父の妹にあたる叔母夫婦に預けられて埼玉・狭山市で過ごしたといいます。

実は、私が身近に付き合っている人の中に、彼女と非常に似ている生い立ちを持っている人がおります。
その人は心に深い傷を抱えたままこれまでの人生を送ってきており、また性格的に非常にピュアであるだけに様々な誘惑に乗りやすいタイプでもあるので、この話は他人事ではないという印象があるのです。

それにしても、酒井法子に限らず、事件を起こす者に複雑な家庭環境が見えてくることが多い。
一人の人間の人格を形成する要因としては、様々なものがあると思いますが、その中でも、子供時代の家庭環境は非常に大きな要因となります。
特に、小学校低学年ぐらいまでの時期の家庭環境は、その人の基本的な人格、そして体質までも形成してしまう場合があり、その後の人生に長く影響してくると言えます。

子供時代にどんな事情があったにせよ、もう大人なのだから、それなりの思慮分別が出来なければけしからん、と主張される方は多いと思います。
でも、もしあなたが親に見離された子供だったとしたら、それでも自分は思慮分別のある大人に成長できたと言い切れるでしょうか。
身体の傷と違い、心の中の傷というものは他人の想像以上に根深く、人の短い一生の、たった数十年の期間で自力でたやすく解消できるものではないことが多いのです。 
そういう人々が、心の隙間を埋めるために走りやすい行為。・・・ギャンブル、浪費、過食、新興宗教、反社会的な活動、アルコール、そして麻薬。
タレントになりたい願望も、心の隙間から出てくることが多いものです。

悪は罰せられなければいけないと言いますが、赤ん坊の時から極悪人という人はおりません。
社会的に阻害されたとき、経済的に窮地に追い込まれたとき、誰でもが犯罪者になる可能性があるのです。
人間が人間を裁くということは、非常に難しいことです。
だから私は、死刑廃止論者なのです。

刑事事件の裁判でよく争点になるのが「心神耗弱」です。
刑法は、心神喪失や心神耗弱の状態にあって、通常人の判断能力や自己抑制能力が著しく劣った者と認められる場合、完全な責任能力が無いものとされ刑が減軽されることになっています。
しかし、常識的に考えて、正常な判断能力や自己抑制能力を持っていて、殺人を犯す者などいるでしょうか。
もし、そんな殺人犯がいるとすれば、逆にその犯行動機にはよほどやむをえない事情があったに違いありません。
例えば、国家の命令で兵役に駆り出され、敵国の兵士を殺したような場合がこれに当たるでしょう。

犯罪の背景には、犯罪を犯した者の精神活動に影響を与えてきた多くの外的要因があります。
海外へ目を向ければ、犯罪やテロの原因が貧困問題と関係していることが非常に多いです。
したがって、もし悪を裁くというのならば、容疑者本人だけではなく、その者に影響を与えてきた周囲の人々や、社会も同時に裁かれなければ不条理な裁きになります。

死刑を廃止すれば凶悪犯罪が増えるといいますが、死刑のある日本で、凶悪犯罪が増えているのも現実です。
スピリチュアルカウンセラーの江原啓之氏は、人が衝動的に何かを起こしてしまう場合、憑依が影響していることがあるといいます。
自分が犯してしまった罪の大きさを充分に認識し悔いることのないうちに、刑によって強制的に命を絶たれてしまった人間の魂は、社会への恨みをもったまま未浄化霊になるといいます。
江原氏は、死刑は未浄化霊を増やすだけであるので、凶悪犯罪を減らそうとするならば、日本は終身刑を設けて死刑を廃止すべきだと言及しています。

私は犯罪者を擁護して無罪放免にすれば良いと考えているわけではありません。
無罪放免にしてしまえば、その人が学びを得て、人間として成長する機会が失われてしまいます。
生きるということ自体が大変な苦労を伴うことです。人は生きて苦労をすることによって、霊性を向上させていくのです。
罪を犯した者が生きて反省し、生きて自らの罪をあがなうということも、必要な考え方なのではないでしょうか。

やしろたかひろ

タグ:人権と福祉
posted by takahiro at 14:57| Comment(0) | 現代社会を考える
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