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2013年09月05日

社会保障費問題の解決策は、今の制度の中には無い

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消費税引き上げ議論が活発になってきています。
そういう話を聞けば聞くほど、世の中の行く末が不安に思えてきます。

日本の社会は、戦後、農業の衰退とともに核家族化が進行しました。
その結果、以前は高齢者や低所得者の生活は基本的に同居する家族が面倒を見ていたのが、核家族化によってそれがままならなくなりましたから、国の社会保障費の負担が大きくなったのは当然です。
さらに、貨幣中心の経済は大衆に不安心理を植え付けるので、不景気になるたびに少子化が進行します。

このような悪循環の中では、社会全体の負担が際限なく増えていくので、消費税をいくら引き上げたとしても追いつきません。
消費税だけではなく、年金保険料、健康保険料についても同様です。
このままでは、消費税、年金保険料、健康保険料の三重苦で庶民の生活が疲弊していくだけです。

また、軽自動車税を増税するという議論があります。
大都市のように電車や路線バスが発達していない地方では、今や自家用車は冷蔵庫や洗濯機と同じくらいの生活必需品となっています。
スズキの鈴木修会長が言うとおり、軽自動車は比較的所得の少ない人が生活をしたり、商売したりするために買っていますので、その増税は「弱い者いじめ」にしかなりません。
ただでさえ自動車に乗るのにガソリン税が取られているのに、自動車税まで増税されれば地方に住む庶民の生活がますます圧迫されてしまいます。
私は、生活の足として自動車を使用している地域の人々にガソリン税を課すのであれば、大都市に住む人たちからは電車利用税や路線バス利用税を課さなければ不平等であると思います。

そして私は、テレビなどて社会保障費についての議論を聞くたびに、次元が違うといって良いほど、政治家や経済評論家たちの意識と自分の意識との間に大きな違いがあることを感じるのです。
この問題を解決する方法は、今の制度の中にはありません。増税→社会保障という構造では、もはや立ち行かないのです。
社会構造自体を根本的に変えるしかありません。貨幣中心の経済を変えることです。

農業など第一次産業を復興させて、サラリーマンを減らし、衣食住に必要なものを生産する人を増やすこと。そうすれば日本の食糧自給率が高まり、エネルギー効率も良くなります。
そして、貨幣だけに頼らず、物々交換が成り立つ経済が誕生します。
物々交換で重要なことはお金を稼ぐことではなく物を生産することなので、不景気とか経済恐慌とかいうものとは無縁です。
第一次産業で多くの人々の生活が成り立つ社会が復活すれば、核家族が減るので、国の社会保障費の総額を減らすことができます。

ところが、消費税を引き上げるという議論は、逆に貨幣経済を進行させる議論にほかならないのです。
なぜならば、貨幣が流通しなければ、消費税を徴収することが出来ないからです。例えば、米と野菜、米と労働力とを交換したときには、お金の流通が無いので課税することが出来ません。

貨幣中心社会からそのような社会へ移行したならば、社会保障についても、全額現金支給ではなく、一部現物支給という方法が採用されて良いと思います。
お金による社会保障は不正受給者が発生しやすいですし、働いた時の賃金よりも生活保護費のほうが高いというような矛盾も生じます。
また、生活に困っている人を自立させるために必要なものが、必ずしも現金では無い場合があると思います。

たとえば、使われていない農地を持っている人が、税を現金で支払う代わりに、農地の使用権または所有権を国や地方自治体に提供することが出来るようにする。
国や地方自治体は、それらの農地を生活困窮者に貸与することによって、その人が自立する道を開けるようにするのです。

このような考え方でいけば、社会保障制度の中で、食糧についての現物支給もありえると思います。
そうなれば、農家が昔の年貢のように税の一部を余剰農産物で支払うことが出来る制度や、食料品製造メーカーや小売店が税の一部を余剰商品で支払うことが出来る制度が実現可能になるでしょう。
国家運営よるフードバンクです。循環型社会にふさわしい社会保障制度だとは思われないでしょうか。

(やしろたかひろ)

※関連記事
「大家族の復活が国家財政を改善させる」
http://iyasaka.saloon.jp/article/62202201.html
現代の姥捨て山「老人保健施設」
http://iyasaka.saloon.jp/article/30127490.html


posted by takahiro at 20:54| Comment(0) | 世の中が変わる
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