船井氏の本職は経営コンサルタントですが、「波動」や「あの世」「思いは実現する」といった言葉を流行させ、私たちの世代の大衆にとって精神世界の巨匠的なイメージがありました。
しかし、晩年は「スピリチュアルに浮かれて現実的なことをそっちのけにしている人が多い。もっと現実に地に足をつけた生活をしてほしい。」と、スピリチュアル依存に対する警告も発しておりました。
昭和の後半にスピリチュアルブームが始まりましたが、それはしばしば現実逃避に利用されたり自己犠牲をすすめられたりといった、宗教と何ら変わりの無いものになってしまった側面もありました。
「無条件の愛」とは与えることと受け取ることの(頭の理屈を超えた)完璧なバランスのことであるにも関わらず、船井幸雄氏は、それを「ギブアンドギブ」という間違った言葉に置き換えることを流行らせてしまった有名人の一人でもありました。
サービス業系のコンサルタントであった船井氏は、自己の経営理論の中で、お客様に対してそのような精神で接することによって、結果として経営が安定するという意味で「ギブアンドギブ」という言葉を引用したと思われますが、それを大衆向けの著書に書いてしまったことで、結果として、受け取る一方の人と搾取される一方の人とに分かれてしまうという西洋型資本主義の問題がそのままスピリチュアルに投影されるような事態を招いたことも否めません。
船井氏は日本のスピリチュアルブームを牽引した人であると同時に、晩年になってから、そのように方向性を誤ったスピリチュアルブームを修正しようとした人でもあります。
多くのチャネラーたちが、今年は物理的現実世界の夜明けが始まる年としています。
物質文明、貨幣至上主義といったこれまでの世界が行き詰まりを見せている今、ブームではなく現実に地に足をつけたスピリチュアリズムがいよいよ世界に広まる時です。
(やしろたかひろ)
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